この映画を観ながら、研修医のころを思い出していました。
肉親以外の人の『死』に初めて立会い、戸惑っているばかりの私の前で、患者様に優しく
声がけしながら手際よく処置をするベテラン看護師さんがまぶしく見えたように思います。
『納棺師』という職業の存在は、おそらく皆さんもあまりご存じないと思いますが、
かく言う私も知らない一人でした。
納棺師の亡くなった方への心遣いは限りなく優しく、所作はよどみなく美しい。
映画は、納棺師を取り巻く日常を決して大げさではなく、淡々と綴っていきます。
でもそれがかえってドラマティックでおかしくもあり、時に悲しくもある。
なんといっても、主演の本木さんや出演者の抑えた演技がすばらしい。
この映画はモントリオール世界映画祭でグランプリを受賞しました。
日本人の死生観が世界に認められたようで感慨深いものがあります。
映画の中で『死は門だ』と言うところがありましたが、まさにその通りだと思いました。
もうひとつうれしいことは、この映画の舞台が『山形』ということ。
山形の皆さん、是非観て下さい!